1. インテリジェントボックス(IntelligentBox)システム  インテリジェントボックス(IntelligentBox)は、北海道大学において研究開発している対話型3次元ソフトウェア構築システムです。ボックスとよぶ固有の機能をもつ3次元部品を提供します。マウスによる画面上での直接操作によって、ボックスをレイアウトし、ボックスのもつ機能を合成することで、より複雑な機能をもつ合成ボックスを構築・蓄積していきます。この構築過程が3次元ソフトウェアの開発過程となります。 以下に実行開発環境を示します。   対応マシン  シリコングラフィックス社のワークステーション(グラフィックスエンジンのないIndyでも稼動しますが、グラフィックスエンジンがあると操作が楽に行えます。) 液晶シャッタメガネ(StereoGraphics社Crystal EYES)がある場合には両眼視画像(ステレオ)表示が可能です。 3次元マウスSpaceball3003(Spacetec IMC Corporation)をサポートしています。   開発環境  開発言語: CおよびC++言語  ライブラリィ: OpenGLグラフィックスライブラリィおよびViewKit(C++言語トランスレータに付属するXウィンドウのインタフェースツールキット)   開発に関連したシステム  S-Products(インテリジェントボックスの初版システムの研究開発に使用しました。シンボリック社XL-1200(LISPマシン)上で稼動するCGアニメーション作成ソフトウェアです。)  N-World(S-Productsのシリコングラフィックス社マシン対応版) インテリジェントボックスは、データ変換ツール(dxf2dat, obj2dat, objm2dat, geo2dat, geom2dat)を使用することにより、N-Worldで作成された形状モデルデータGEOファイル(*.geo)、AutoCADの3D DXF(*.dxf)とWavefrontのOBJ(*.obj)ファイルの読み込みが可能です。 注)GEOファイルは、faces-by-vertexモードで作成されていなければなりません。   DXFファイルは、3DFACE属性のみで作成されていなければなりません。その他の属性は認識されません。 ------------------------------------------------------------------------------ 2. 配布物、使用および配布条件 配布物:  ib.tar.gzファイル(実行ファイルとヘッダーファイルおよびサンプルデータファイル)のみです。 使用および配布条件:  ibディレクトリ下のcopyrightj.txtに記載されています。 ------------------------------------------------------------------------------ 3. インストールと実行   1) ib.tar.gzファイルをgunzipで解凍しib.tarファイルを作成します。 例) gunzip ib.tar.gz   2) ib.tarファイルを展開しibディレクトリを作成します。 例) tar xvf ib.tar   3) ibディレクトリ下のbinディレクトリに実行ファイルibがあります。これを実行するとインテリジェントボックスのメインウィンドウが現れます。   環境変数の設定は、ibディレクトリ下のib.cshrcを参考にして下さい。インテリジェントボックスの起動後にインテリジェントボックスの環境設定ファイル(***.cshrc)を読み込むこともできます。 環境設定ファイルのIBHOMEを書き換えインテリジェントボックスの起動後に読み込むか、以下のようにシェルコマンドでibディレクトリのパスを指定してください。 例) setenv IBHOME /home/okada/ib   4) 種々のファイルを読み込む際にデフォルトのディレクトリにファイルが見つからなかった場合、まず環境変数IBHOMEで指定されたディレクトリを探しにいきます。さらに、環境変数IBPATHで指定されたディレクトリを探しにいきます。 環境変数IBPATHのディレクトリパス指定は、":"で区切ることができます。指定できるディレクトリパスの最大数は8に固定されています。 例) setenv IBPATH=/home/okada/test1/:/home/okada/tes2/   5) ディレクトリの説明  [研究用]と記載したディレクトリは、研究開発用に使用しているものです。削除されても構いません。また、形状モデルデータのディレクトリも必要のないものは削除されて結構です。   ib/     agents/ 外部定義エージェント・オブジェクトのソースファイル     bin/ 実行ファイル(ibやツール類)     boxdata/ ボックスデータ(*.box)     doc/ 基本ボックスごとのドキュメントファイル(*.doc)     dxfdata/ AutoCADの形状モデルデータファイル(*.dxf)     ee/ エクスプレッションエディタのインタフェース定義ファイル[研究用]     expdata/ エクスプレッションデータファイル(*.exp)[研究用]     geodata/ N-Worldの形状モデルデータファイル(*.geo)     guide/ このファイル(MS Word97: guide.doc)とhtmlファイル(index.html)     ib.cshrc 環境変数設定ファイル     include/ インクルードファイル     labandata/ [研究用]     lib/ 外部定義ボックスのダイナミックリンクオブジェクトファイル     libsrc/ 外部定義ボックスのソースファイル     movie/ ムービファイル     objdata/ Wavefront社形状モデルデータファイル(*.obj)     primdata/ 形状モデルデータファイル(*.dat)     server/ ドメインネームサービス(DNS)管理されたホスト名一覧ファイル     smdata/ 形状モデルデータファイル(*.sm.txt)[研究用]     sound/ 音声ファイル(*.wav)     src/ ソースファイル     texture/ テクスチャデータファイル(*.rgb)     tools/ ツール類のソースファイル ------------------------------------------------------------------------------ 4. その他制限事項など 1. 現在北海道大学における研究開発は、シリコングラフィックス社のグラフィックスワークステーション上で稼働するインテリジェントボックス・システム(このSGI版)を使用しています。高価なSGIマシンを使える環境にない人にもインテリジェントボックスが使えるように、このSGI版の他にWindows版とLinux版があります。より多くの方に興味をもっていただけることを期待しています。 2. SGI版の形状データ(*.dat)とボックスデータ(*.box)は、Linux版およびWindows版と完全な互換性があります。 3. Linux版、Windows版のユーザズガイドは存在しません。メニューの項目や操作などは、SGI版と共通していますので、SGI版のユーザズガイドを参考にして下さい。 以上 [written by 岡田義広(OKADA Yoshihiro)]